JPCオンライン 第4回開催報告

ペナントパーク・インベストメント・アドバイザーズ
「米国ミドルマーケット・ダイレクトレンディング戦略」の
魅力・弾力性、コロナ後の投資機会について
日本では変異株蔓延で、コロナはまだ終息が難しい状況だが、世界を見渡せばワクチン接種が進み経済回復が進む国もあり、所謂「K字型経済回復」である。先行きが読みにくい経済環境、年金基金は今年度も苦労が絶えないと思う。
このような状況下マーケットメーカーズでは、前回テーマを引継ぎ「運用の新方策(ニューノーマル)を探る」の第2弾として、「プライベート資産投資」の一分類「ダイレクトレンディング」について、米国ペナントパーク社及びモニターキャピタル社の協賛により、コンファレンスを開催した。
ペナントパーク社の創業者等から、同社のダイレクトレンディングは、プライベートエクイティ投資先への融資を主体とする運用戦略であり、種々の工夫をして債権保全にも注力していると、実例紹介も交えながら、ビデオで報告された。米国現地からの出演で、投資活動内容やコロナ対応策等、米国の持つダイナミックなエネルギーや柔軟性、或いは多様な人材を感じて頂けたと思う。
日本では余りなじみのない「ダイレクトレンディング」の紹介であったが、投資対象資産としては充分に大きな規模であるとのことであり、年金資産の投資対象とする事が可能か?是非検証して欲しい。
米国 コロナ禍状況のアップデートと
クレジット市場の現状
講演者:アート・ペン
ペナントパーク・インベストメント・アドバイザーズ(PPIA)
創設者 兼 マネージングパートナー

米国 コロナ禍状況のアップデートと
クレジット市場の現状
コロナ感染発生から一年半が過ぎた今日、米国ではワクチンが急速に普及し経済活動も徐々に戻りつつある。これには、米国政府が取った様々な対策が影響したと考えられる。特に連邦政府からの合計5.3兆円に上る援助法案や、連銀の低金利政策を含む「どんな手段でも対応策として検討」が効果を発揮したと言えるだろう。連邦議会の2極化により、今後の政策の対応の見通しは難しいとしながらも、株式市場や雇用統計等から、米国経済は順調に回復を遂げている。

ペナントパーク社は、主にミドルマーケットのプライベートエクイティスポンサー会社 が出資するEBITDAが5千万ドル以下の比較的小規模な企業に、第一抵当権付シニア担保付資本を提供する融資(ダイレクトレンディング)を実行している。米国ミドルマーケット企業は20万社存在し、米国民間経済の約1/3の収益を生み出す魅力的な市場である。融資は資本構成の下部に35-65%もの株式というクッションがあり、債権保全面では比較的安全な資産だが、収益面では景気サイクルの影響を受ける。今後のクレジット市場においての投資は、より選択的になる必要があるだろう。2008-9年の世界金融危機から12年経ち、クレジットサイクルは後期の最終ステージまで来ている。コロナ禍が無かったとしても、市場の修正は近かった。こういった状況下でもミドルマーケットダイレクトレンディング戦略、特にEBITDAが5千万ドル以下の企業へのローンは、慎重な調査を実行し、レバレッジを低く、財務制限条項が付き、十分な株式出資が募っていれば、低リスクでありながら非流動性プレミアムを含むリターンを得られる。

プライベート信用市場へのコロナ禍の影響
講演者:ホセ・ブリオネス
ペナントパーク・インベストメント・アドバイザーズ(PPIA)
パートナー

プライベート信用市場へのコロナ禍の影響
コロナ禍の状況下、影響を大きく受けたセクターと逆に、予想以上に業績を上げたセクターがあった。その為、セクターの選択、レバレッジを低く抑える、そして問題が発生した際それに対処する能力が、デフォルト・リスクを回避し、結果としてパフォーマンスに反映しているのだろう。ペナントパーク社では、安定した一貫したキャッシュフローを提供する5つのセクター(政府向けサービス、ヘルスケア等)に焦点を当て、景気変動の影響を受けやすいセクターを回避してきた。得意分野を持つ事で融資案件の選定・獲得に真っ先に声がかかるメリットもあったが、コロナ禍のデフォルト等マイナスの影響も最低限に抑制出来た。
又、貸出先企業、株式出資先(プライベートエクイティーファンド)と一体となって、解決策を生み出すよう、ペナントパーク社では、様々な助言を行っている。それにより、企業、株式出資先、融資者の利害関係者全てが恩恵を受ける事となる。ミドルマーケットダイレクトレンディング戦略は、そのような弾力的な取引ができるため、資本保全強化も実行することができるわけである。

ペナントパーク社とシニアクレジット戦略
講演者:エイプリル・リー
ペナントパーク・インベストメント・アドバイザーズ(PPIA)
インベスターリレーション部 ディレクター

ペナントパーク社とシニアクレジット戦略
ペナントパーク社は、アート・ペンが2007年に設立した独立系プライベートクレジット会社です。現在運用資産総額は約47億ドル(2021年3月末)で、米国ミドルマーケットダイレクトレンディング戦略に特化している。特に、シニアクレジット戦略は直接引き受け第一抵当権付シニア担保付ローンが主となるので、資本保存を優先事項としながら、レバレッジローンやハイイールドより高いリターンを得られ、低リスクのポートフォリオを構築できる。複数レベルのリスク管理から、クレジットリスクや金利リスク、分散化等を常にモニターし、更にESGポリシーも取り入れている。ペナントパーク社では、投資家のニーズに合わせ、クローズエンドファンド、CLO, 上場ビジネスデヴェロップメント会社(BDC)等、様々なビークルを提供している。日本のゲートキーパーの窓口もございますので、興味がございましたら是非ご連絡お願い致します。
最後に:
アート・ペンより年金基金向けインフレ対策についての助言
まずミドルマーケットダイレクトレンディング戦略のシニアローンはほぼ100%、変動金利です。また、ペナントパーク社のダイレクトレンディングは、LIBORの下限も付属しているため、現在のようなLIBORが1%以下に下がっても金利リスクを回避できます。また、インフレは通常経済向上の反映でもあり、その場合借り手となる企業の業績も向上し、ディフォルトリスクが低下する効果を受けることが出来ます。
その為、ダイレクトレンディング戦略を債券のポートフォリオに組み込む事により、インフレリスク対策に適応出来ると思います。

ペナントパーク・インベストメント・コーポレーション
【お問い合わせ】
ディレクター・インベスターリレーション エイプリル・リー
日本投資家向けインベスターリレーション 多久島 栄
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